ウィズコープ6月号 2025年 vol.324
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環境を考えた組合員の声で誕生4◀古紙回収牛乳パックの内側に加工されたフィルムは、はがして工場内で焼却し、その排熱の蒸気で紙を乾燥させる◀初代パッケージ前製造業社から、急きょ製造を引き継いだため、パッケージは商品名のみ◀富士市の工場古紙をリサイクルするには、豊富な水が必要。製紙会社の多くが富士山のふもとに集まっている丸富製紙株式会社・静岡県富士市File/54あいち・コープみえの3生協コープあいちが長年大切にしてきたこだわりの商品には、一つ一つにストーリーや思いが詰まっています。その商品にまつわる、誰かの思いに耳を傾けてみませんか。そこに込められたさまざまな思いを巡ります。 グリーンライフリサイクルペーパー ダブル50m×12ロール次回予定:毎週回収された牛乳パックや上質古紙を使用した100%再生紙のトイレットペーパー。吸水性がよいので、シャワートイレにも適している。リーフエンボス加工で高級感と使い心地のよさを実現▲ジャンボ原紙フィルムやインクを落とした古紙は、いろいろな工程ごとに洗浄を行い、抄紙機(しょうしき)で再び紙にし、いったん大きなロールにする。鉄の芯に巻きつけた紙の幅は約3m、重さは約2トン組合員と歩んだ歴史 かつてトイレットペーパーの原料は、木材から作られるバージンパルプが一般的でした。環境を考えた組合員は、再生パルプを使用したトイレットペーパーを求め、1985年「故紙ロール」という商品が誕生しました。やがて「取り換え頻度を少なく」との声に応えて、芯を細くして1巻き80m(シングル)の長さを100mに。当時はこれだけの長尺は画期的で、まだどこも製造していませんでした。1989年には消費税(3%)導入に反対し、価格据え置きの意味を込めて103mまで延長しました。1991年、原料の5%に、回収された牛乳パックを使用したトイレットペーパーも販売。開発に携わったメーカーは廃業してしまいましたが、組合員の思いは今に受け継がれています。歴史を受け継ぎ伝える 丸富製紙は、トイレットロールの生産量が家庭紙製造のメーカーの中でもトップクラスです。全国で初めて原料に牛乳パックを再利用したり、芯のないトイレットロールを開発したりと、製紙業界のパイオニア的企業です。丸富製紙は「故紙ロール」の背景にある組合員の思いを受け取り、製造を請け負いました。2006年「グリーンライフリサイクルペーパー」に名称を変更して発売。急な製造にパッケージのデザインが間に合わず、商品名だけが印刷されていました。現在は東海3生協※のキャラクターが印刷され、組合員が環境に配慮し、長さにこだわり、消費者として考えた、オリジナルの商品であることを伝えています。※ 東海コープ事業連合の会員生協。コープぎふ・コープいいいいいいモノコトトコログリーンライフリサイクルペーパー

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